難消化性デキストリンで下痢になる?原因と対策についのお話し

こんにちは調理師のfree-lifeです。 日々体にいい食品、食事、栄養のことを考えて料理を提供しています。 先日お客様に、最近便秘気味なので難消化性デキストリンを始めたら、なんか下痢気味になってしまったけど、どうすればいいのか? という質問を受けました。 難消化性デキストリンは「なんとなく身体に良さそう」と手に取っている方も多く「お通じが改善した」などの嬉しい声がある一方で、「かえって下痢を起こした」という声も少なからずあります。 なぜ難消化性デキストリンで下痢が起こるのでしょうか? 今回は「難消化性デキストリンによる下痢の原因と対策」についてのお話しになります。。

難消化性デキストリンとは

難消化性デキストリンというのは、とうもろこし等の天然のデンプンから生まれた食物繊維のことで、消化されにくいデンプンのことをいいます。 元々トウモロコシなどの穀類や熟した果物などに含まれ、化学的に消化されにくい成分を取り出したもので、粘性や甘味は少なく、ほぼ透明で耐熱性・耐酸性に優れているのが特徴です。 難消化性デキストリンは、日本人の食生活が欧米化し、食物繊維の大切さが認知されるようになり、不足しがちな食物繊維を補う目的で作られた背景があります。 そして難消化性デキストリンは食物繊維に該当し、水に溶けやすい性質から水溶性食物繊維に分類されます。 またブドウ糖を分解する酵素の働きの一部をブロックしてくれるので、一部の糖が吸収されずに便に排泄されます。 このような作用があることで、糖質や脂肪の吸収を緩やかにする働きがあると考えられています。 しかし難消化性デキストリンを摂取したからといって、ケーキやお菓子を食べたことがなかったことに出来るような効果は期待出来ません。 またミネラルの吸収を邪魔しないため、多くの食品に応用されています。

難消化性デキストリンによって下痢が起こる理由

食物繊維には大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。 水溶性食物繊維は糖やコレステロールの吸収を抑える効果や、便を柔らかくする効果があります。 そして難消化性デキストリンのような水溶性食物繊維を摂りすぎると、下痢や軟便の原因になる事があります。 ただし、一般的な食生活をしていれば食物繊維をとりすぎてしまうことは、ほとんどありません。 腸内には100兆個を超える善玉菌や悪玉菌、日和見菌といった菌が存在しています。 難消化性デキストリンを含む食物繊維は善玉菌のえさになります。 消化されず大腸に到達した食物繊維は、善玉菌の発酵を受けて酢酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸が生成されることで、腸内は酸性に傾き悪玉菌が増えにくい環境になります。 腸内環境が改善することで腸が正常に機能し、一定のリズムで腸に刺激が起こり(蠕動運動)便が移動します。 このとき大腸で水分を吸収しながら移動することで便量が増し、排便量が増加するともいわれています。  しかしたくさん摂りすぎてしまったり体質に合わない場合、便の移動が普段より速くなってしまい、大腸で本来吸収されるはずの水分が吸収されないため、下痢になる事があります。

下痢が起こった場合の対策

上記で説明したように下痢の原因は腸の運動が活発になりすぎておこる可能性があります。 先ずは難消化性デキストリンや水溶性食物繊維の摂取量を抑えて、腸を休ませましょう。 また消化によい食事を心がけ、食物繊維の多い食品を控えるとよいでしょう。 下痢をしているときは、普段より水分や電解質が出ていきます。 経口補水液やスポーツドリンクなどで水分補給をしましょう。

まとめ

難消化性デキストリンには糖質の吸収を緩やかにするなど嬉しい作用がありますが、その効果を期待しすぎて必要以上に摂取したり体質に合わない場合、下痢になることがあります。 そして下痢の対策としては摂取を控えることしかありません。 手軽に摂れる食物繊維ですが、効果を過剰評価しすぎて大量にサプリなどで摂取することはお勧めできません。 また身近な

  • 穀類
  • 豆類
  • 芋類
  • 野菜類
  • 海藻類
  • 果物類

などには天然由来のペクチンやグアーガム、グルコマンナンなどさまざまな 食物繊維が含まれています。 そしてこれらの食品には食物繊維以外にもビタミンやミネラル、抗酸化物質などを含み、健康に役立つ栄養が豊富に含まれています。 日本食は世界が認めた食文化です。 栄養バランスもいい為普段の食事を和食中心にするのも下痢対策の一つだと思います。 あわせて読もう!